2025年9月29日
私はまず、国連創立80周年という意義深い年に開かれた第80回国連総会が、参加者の格別な関心の中で立派な成果を収めるであろうとの期待を表明するものです。
私はグテーレス国連事務総長閣下が23日に行った開幕演説に注目し、個別的な国家が単独で問題を処理できないようにするための唯一のステージである国連の役割を強化し、21世紀の要請に即して国連を改革することを主張した点について評価します。
「共にさらに歩む:平和、発展、人権のための80年とその後」という本会議の主題に反映されているように、今日、われわれは皆、国連の過去80年の歴史を振り返り、未来を設計する重大な分岐点に立っています。
今から80年前、人類は惨禍たる戦争の廃墟の上で国連憲章を採択することにより、現代国際関係の礎を築き、もっと包括的な国際機構である国連を創設しました。
創立後、国連は世界の非植民地化を促進し、普遍的な国際法規範の作成を主導したのをはじめ、平和と安全の保障、社会経済的発展など、様々な分野で顕著な成果を収めました。
幾多の紆余曲折はありましたが、新たな世界大戦が勃発しなかったことは、人類に二度も言葉にできない苦痛をもたらした世界大戦の惨禍から次世代を救うべきだとする国連憲章の基本精神がもたらした所産であると言えます。
貧困撲滅、伝染病との闘いなど、社会経済分野において諸国間の協力を図り、国際的範囲で持続可能な発展を推進するうえで国連が果たした役割もまた過小評価することはできません。
しかし、国連の歴史のページには、覇権主義勢力の強権と専横に振り回され、憲章の精神に背き、国連の看板が主権国家の合法的で正常な発展権利を侵害する圧迫実現に悪用されてきた不名誉な記録も刻まれています。
われわれは過去80年間、第3次世界大戦が勃発しなかったことに安堵し自祝するのではなく、それを誘発し得る脅威が常に存在し、現在はより厳しい段階に入っているという事実に相応の注目を払い、対策を講じなければなりません。
現在、国際社会は第2次世界大戦以降もっとも混乱し、暴力的な世界を目撃しています。
現代史には数多くの事件・事変が記録されていますが、今日のように、国連創立と共に樹立され、強化されてきた国際関係の規範と秩序が無視され、主権国家の自主権が公然と侵害されたことはかつてありませんでした。
全世界を対象とする無差別的な関税戦争によって、世界経済全般が停滞と不安定の泥沼から抜け出せず、世界的範囲で不平等と貧困をなくし人間の尊厳を保障すると公約した「2030持続可能な開発アジェンダ」さえも、個別の国の利益に合致しないという理由で否定されているのが現実です。
領土や人口の数、国力の差異を問わず、地球上のあらゆる大小の国家が平等に一堂に会し、世界的挑戦に共同で対応する方途を討議する多国間のステージとしての地位を築いてきた国連は、かつてない深刻な危機に直面しています。
世界が経験しているこのすべての混乱と苦痛の根底には、全世界を自らの利権圏内に収めようとする覇権勢力の強権と専横、人類共同の利益の上に自らの排他的利益をすえる貪欲が深く横たわっています。
今日の複雑多様な国際情勢は、国際平和と安全保障の責任を担う国連の役割を再照明する必要性をいっそう浮き彫りにしています。
地球上のすべての主権国家を網羅する世界で最も普遍的な国際機構である国連を、いかなる個別的国家や少数集団が代表することはできません。
特に国際平和と安全という重大な使命を担う安全保障理事会において、国連加盟国の絶対多数を占める発展途上国の代表権を拡大・強化し、西側主導の不合理な構図を正すことは、特定勢力の強権と専横を防ぐための必須的要求です。
あらゆる活動において強権と専横、偏見的かつ二重基準的な慣行が終息し、主権平等と内政不干渉、公正と客観性の原則が厳格に遵守されるときこそ、国連は憲章の目的実現に必要な資格と能力を備えた機構としての姿を取り戻すことになるでしょう。
平和と安全は人類の宿願であり、国連の第一の課題です。
平和と安全なくして持続可能な開発目標を達成することはできず、人間の尊厳と繁栄が担保される輝かしい未来についても考えることはできません。
しかし朝鮮半島の今の客観的な安保状況は、かつてなく深刻な挑戦に直面しています。
朝鮮民主主義人民共和国を標的とした米韓、米日軍事同盟と米日韓3角軍事協調体制が、核要素を含むより攻撃的で侵略的な軍事ブロックへと急速に進化している中で、わが国に対する戦争演習騒動と軍事力増強策動は、その規模、性格、頻度、範囲において従来のあらゆる記録を突破しています。
世界のどこを見渡しても、朝鮮半島のように、一つの主権国家を標的に世界最大の核保有国とその同盟勢力が膨大な多国籍連合武力と先端戦略資産を動員し、年間を通じて二国間・多国間の戦争演習を行い、核使用を想定した実動訓練まで公然と強行するところは見当たりません。
本会議が始まる数日前まで、米国と同盟勢力は「アイアン・メイス」、「フリーダム・エッジ」といったわが国に対する核攻撃を既成事実化し、その手順と方式を習熟する核戦争演習騒動をくり広げ、朝鮮半島情勢を極度に緊張させました。
しかし、朝鮮民主主義人民共和国に加えられている甚大な軍事的脅威と、それによって醸成された険悪な安保環境の中にあっても、朝鮮半島では戦争の砲声が轟かず、平和と安全が確固として守られていることは、否定できない現実です。
米国と同盟国の増大する侵略脅威に正比例して、わが国の物理的な戦争抑止力が強化されたため、敵対国の戦争挑発の意志が徹底的に抑止され、朝鮮半島地域での力の均衡が保障されているのです。
この均衡状態を永続化し、朝鮮半島の平和を永遠不滅なものとするために、われわれは核を損ねたり、変えたりすることができない神聖かつ絶対的なものとして、憲法に固定化しました。
われわれに「非核化せよ」ということは、すなわち主権を放棄し、生存権を放棄し、憲法を破れというのと同じです。
われわれは決して、主権放棄、生存権放棄、違憲行為を行うことはありません。
朝鮮民主主義人民共和国・国務委員長の金正恩同志は21日、最高人民会議第14期第13回会議で、わが党と政府は朝鮮民主主義人民共和国憲法と核兵器保有を永続化した核武力政策に関する基本法を変わることなく、一寸のくるいもなく固く守護し、わが国家の最高利益を徹底的に担保していくと明白に宣明しました。
この国務委員長の施政方針はわれわれの国法であり、われわれは国法を徹底的に守護します。
われわれは、わが国法であり、国策であり、主権であり、生存権である核を決して放棄せず、いかなる場合にも、この立場を撤回することはありません。
朝鮮民主主義人民共和国は、強力な力で平和と安全を担保した土台の上で、全面的な国家復興の活路を力強く切り開いています。
工業と農業をはじめ国家経済全般において、自立経済の発展動力と潜在力をさらに強固にし、生産目標を達成するための闘いが力強く展開されることにより、朝鮮労働党第8回大会が示した国家経済発展5カ年計画の完遂は確定的なものとなっています。
特に平壌市5万世帯住宅建設事業が年次別に着実に遂行され、計画をはるかに上回る速度で、農村文化住宅や大規模温室農場、現代的な病院をはじめとする人民の福利のための創造物が立派に建設されています。
10年という短い期間に、全国の人民に裕福で文明的な新しい生活を提供し、すべての地域の発展水準を飛躍的に向上させるために策定された新しい地方発展政策が強力に実施され、その実体が次々と現れています。
世界的な政治的風波にも、朝鮮民主主義人民共和国が微動だにせず、自ら定めた道を確信を持って進んでいる現実は、朝鮮労働党と共和国政府の徹底した自主精神と正確な指導力の輝かしい結果です。
第2次世界大戦終結80周年となる今年、多くの国々では世界反ファシズム戦争の勝利を記念する多彩な政治・文化行事が行われました。
これは、莫大な犠牲の代価で成し遂げられた世界反ファシズム戦争と民族解放闘争の成果を否定しようとする試みを許さない、正義の国際社会の確固不動の意思の発現です。
第2次世界大戦が終結してから80年が経ちましたが、今日、中東ではヒトラー顔負けの集団虐殺と反人倫的蛮行が公然と行われ、世界を驚愕させています。
過去2年間で6万人を超えるパレスチナ民間人を大量虐殺したイスラエルは、ガザ地区全体を武力で占領し、パレスチナ人民を完全に抹殺しようとしています。
われわれは、イスラエルが反人倫犯罪行為を即時中止し、ガザ地区から撤退することを強力に要求し、パレスチナが東エルサレムを首都とする独立国家を樹立し、国連に正式加盟することを全面的に支持します。
自主・平和・親善は朝鮮民主主義人民共和国の変わらぬ対外政策的理念です。
朝鮮民主主義人民共和国は過去と同様に今後も、侵略と干渉、支配と隷属を反対・排撃し、自主と正義を志向するすべての国や民族と思想や制度の違いにかかわらず協力し、わが国を尊重し友好的に接する国々との多方面での交流と協力を発展させていく所存です。(Full Statement: His Excellency Kim Son Gyong, Vice Minister for Foreign Affairs of Democratic People’s Republic of Korea at General Debate of the 80th Session in the United Nations, 29 September 2025)




コメント