北朝鮮はすでに米本土を核攻撃できる、なぜ米国は「できない」とのふりをし続けるのか?

1)朝鮮半島関連

長年、西側の評論家たちは、北朝鮮のミサイルは「まだ遠くて脅威ではない」「平壌は実際に使う気などない」と主張し続けてきた――その反証となる証拠が積み重なっているにもかかわらず…。

米安全保障専門サイト『ナショナル・インタレスト(国益)』 2025年11月30日
ブランドン・J・ワイハート シニア国家安全保障担当編集者


長年、多くの西側の専門家たちは北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)計画を笑い飛ばしてきた。彼らは、「北朝鮮のミサイル技術は原始的で信頼性が低い」という古い前提にしがみついている。
だが実際には、今日の北朝鮮軍は、世界で最も急速に発展し、生存性と運用柔軟性に優れた核ICBM戦力の一つを築いている。これらの兵器は、米国の早期警戒網、ミサイル防衛システム、そして政治的意思を打ち破るために設計されている。


北朝鮮は核弾頭の小型化に成功した

北朝鮮の火星18号は2023年に初めて試験発射された。この兵器は北朝鮮の核戦力の「王冠の宝石」だ。固体燃料式であるため、発射準備にかかる時間は数時間ではなく数分。機動式で、3段式の構造は長距離精密攻撃に最適化されているようだ。その大きな直径は、多弾頭(MIRV)やデコイ(おとり)、あるいは高威力弾頭を搭載できる可能性を示唆する。
つい最近まで、西側の専門家は「北朝鮮は核兵器の小型化技術を持っていない」と主張していた。だが、火星13型と呼ばれるモジュール式核弾頭の存在が、その前提を完全に覆した。この弾頭は火星17、18号の再突入体に搭載できるほど小さく、複数の発射システムに標準化されているように見える。
ネットフリックス(Netflix)映画『ハウス・オブ・ダイナマイト(A House of Dynamite)』でも描かれたように、米軍は北朝鮮のICBM脅威に対する十分な備えができていない。防衛システムは存在するが、到底十分とは言えない。映画は誇張ではない。これは米国人が直視したくない「現実」なのだ。
実際、米本土の防空能力の乏しさこそ、ドナルド・トランプ大統領が2期目の初動で「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛構想の創設を命じた理由の一つである。


米国は北朝鮮のICBMにどう対抗できるのか?


現在、米本土防衛のために配備されている迎撃ミサイルは44〜64発にすぎず、しかも老朽化が進んでいる。
地上配備型中間段階防衛(GMD)は、本来「1〜2発の原始的なミサイル」を迎撃するためのシステムであり、今日のような一斉射撃に対応できるよう設計されていない。
そして北朝鮮はすでに、デコイ(おとり)、レーダー回避機動、多段式の燃焼プロファイル、さらには多弾頭(MIRV)の可能性を備えている。
日本や韓国を守るTHAAD、イージス、PAC-3などの「地域防衛システム」は、米本土に向かうICBMには無力だ。
火星18号は、米国の防衛体制の「背骨を折る」兵器と言える。
もっと言えば、米国は、ロシアが発射する北朝鮮の核戦力を確実に無力化できない。つまり、北朝鮮は事実上、米本土への核抑止力を手にしてしまったのである。
米国は北朝鮮を「ガラスの平原」にするほどの反撃能力を持つが、北朝鮮が求めているのは「戦争に勝つこと」ではなく、米国大統領に反撃を「ためらわせる」ことだけだ。


西側は北朝鮮の脅威を過小評価してきた


西側の専門家らは長年、北朝鮮の脅威を過小評価してきた。それは彼ら自身の「説話(ナラティブ)」を守るためだ。
彼らは次のように信じ込ませたかった:「北朝鮮は米国を攻撃できない」、「米国のミサイル防衛が守ってくれる」、「金正恩は非合理で、だから予測可能だ」。
しかし2017年以降のすべての長距離ミサイル発射実験(実際にはフルレンジを模したロフテッド軌道)で、これらは完全に誤りだと証明された。
北朝鮮は今日、米国の都市を攻撃できる能力を持っている。にもかかわらず、ワシントンの多くは「できない」とのふりを続けている。
なぜなら、現実を認めることは、米本土防衛戦略が不十分であること、米国の拡大抑止が想定より脆弱であることを認めることに等しいからだ。
インド太平洋地域では、軍事バランスが想像以上の速度で変化している。
だが、ワシントンはその事実を聞きたがらない。(“North Korea Can Nuke the Continental US Now. Why Is America Pretending It Can’t?”, By Brandon J. Weichert a senior national security editor, The National Interest November 30, 2025)

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