独占:出口見えぬイラン戦争、トランプ側近らが結末巡り火花 ロイター 2026年3月13日

ナンディタ・ボーズ、マット・スペタルニック、フメイラ・パムク記者

イラン戦争を巡るドナルド・トランプ大統領の二転三転する声明の裏側で、ホワイトハウス内部では複雑な主導権争いが繰り広げられている。紛争が中東全域に拡大する中、側近たちは「いつ、どのように勝利を宣言すべきか」という難題を巡り激しく対立している。

ロイターがトランプ氏のアドバイザーや協議に近い関係者らから得た証言によると、一部の当局者はガソリン価格の急騰による政治的代償を警告する一方、タカ派勢力はイランへの攻勢維持を大統領に迫っている。

これらの証言は、2003年のイラク戦争以来最大となる米軍作戦において、ホワイトハウスがどのように方針を修正しようとしているか、これまで報じられていなかった意思決定の内幕を露呈している。

揺れるメッセージ、対立する内部派閥

「愚かな軍事介入」を避けると公約して昨年再選を果たしたトランプ氏にとって、この舞台裏の暗闘は極めて重要だ。開戦から2週間足らずで、米国は世界の金融市場を動揺させ、国際的な石油取引を麻痺させる戦争へと突き進んでいる。

トランプ氏の耳を誰が掴むかという「争奪戦」は彼の政権の常だが、今回は世界で最も不安定かつ経済的に重要な地域における「戦争か平和か」がかかっており、その結末は極めて重い。

2月28日の開戦当初、トランプ氏は壮大な目標を掲げていた。しかしここ数日、彼は「紛争は限定的な作戦であり、目的はほぼ達成された」と強調するようになった。

だが、トランプ氏の発言に翻弄されるエネルギー市場を含め、多くの関係者にとってメッセージは依然として不明瞭だ。水曜日、ケンタッキー州で行われた選挙キャンペーン風の集会で、大統領は「我々は勝った」と宣言した直後、「早く立ち去りたくはないだろう?仕事をやり遂げなければならない」と突如として方針を転換した。

内部協議を知る匿名筋によれば、財務省や国家経済会議(NEC)の経済顧問らは、オイルショックとガソリン価格の上昇が戦争に対する国内の支持を急速に失わせると警告している。スージー・ワイルズ首席補佐官やジェームズ・ブレア次席補佐官らも同様の主張を展開し、トランプ氏に対し「勝利」の定義を狭め、作戦は終盤であるとのシグナルを送るよう促しているという。

その一方で、リンゼイ・グラハム議員やトム・コットン議員ら共和党タカ派、さらにはマーク・レヴィン氏のようなメディア論客は、イランへの軍事的圧力を維持するよう圧力をかけている。彼らは、核武装阻止と米兵への攻撃に対する強力な報復を継続すべきだと主張する。

さらに、スティーブ・バノン氏やタッカー・カールソン氏といったポピュリスト的な支持層も第三の勢力として存在し、中東での新たな長期紛争に引きずり込まれることを避けるよう大統領に求めている。

トランプ氏のアドバイザーの一人は、「大統領はタカ派には作戦継続を信じ込ませ、市場には早期終結を期待させ、支持層にはエスカレーションは限定的だと信じさせようとしている」と語った。

出口を求めて

トランプ氏は開戦にあたって詳細な説明をほとんど行っておらず、政権の戦争目的は「イランの攻撃阻止」から「核開発の無力化」、さらには「政権交代」まで変遷している。

不人気な紛争からの出口を模索する中で、トランプ氏は相反する物語の板挟みになっている。イラン側は、米・イスラエルの壊滅的な空爆にもかかわらず依然として強硬な姿勢を崩していない。

米軍はこれまでに、イランの指導部数人を殺害し(死者は累計約2,000人)、ミサイル兵器庫を破壊し、海軍の大半を沈没させたとしている。しかし、これらの軍事的成果は、イランによるペルシャ湾のタンカーや輸送施設への攻撃によって大きく損なわれている。

ベネズエラでの成功体験が招いた誤算

今回の混迷の根底には、今年1月のベネズエラでの電撃的な成功があるという。マドゥロ大統領を拘束したあの作戦と同じようにイラン戦も進むとトランプ氏が思い込んだことが、誤算を招いた。

イランはベネズエラとは異なり、宗教・治安体制が強固に根ざした、より強力で武装の整った敵であることが証明された。

戦争が長引き、米軍の死傷者が増え、経済的コストが積み重なれば、トランプ氏の支持基盤(MAGA層)も揺らぎ始める可能性がある。しかし、共和党の戦略家フォード・オコンネル氏は「MAGA層は、まだ大統領に(方針変更のための)猶予を与えている」と分析している。(”Exclusive: With Iran war exit elusive, Trump aides vie to affect outcome”,

By Nandita Bose, Matt Spetalnick and Humeyra Pamuk, Reuters, March 13, 2026)

コメント

タイトルとURLをコピーしました