イランは核を保有しているのか? 有力な情報筋は「イエス」と答える 『SONAR 21』 2026年6月2日

ラリー・C・ジョンソン
元米中央情報局情報分析官
元国務省対テロ対策局企画官兼顧問

ペペ・エスコバルと私は先週の木曜日(5月28日)、情報へのアクセス権を持つ精通した情報筋が作成したインテリジェンス・レポートを受け取った。レポートの全容をここに再現することはしないが、イランが現在核を保有しているのか、あるいは近いうちに保有するのかという問題に焦点を当てたい。まず強調しておきたいのは、イランはこれまで核兵器の獲得に関心を持っていなかったという、過去の米インテリジェンス・コミュニティの評価を私は固く支持しているということだ。

しかし、2025年12月下旬に試みられ失敗に終わったカラー革命に続いて起きた、今年2月28日の(米国・イスラエルによる)奇襲攻撃が、この問題に関するイランの視点を変える決定的な役割を果たしたようである。以下は、先週木曜日にペペと私が受け取ったレポートの一部である。

2026年5月25日の出来事を取り巻く公のナラティブ(報道)は、作戦上の現実を根本的に見誤っている。我々は、緻密に計算された一連のエスカレーションによって駆動される、地域の権力構造の「不可逆的なシフト」を目撃している。これらの一連の動きは、米国の強圧的な権力の限界と、1991年以降の湾岸安全保障パラダイムの脆弱性を露呈させた。
構造的な現実は明確である。米国は、非対称なエスカレーションをマスターした敵(イラン)を相手に、首脳陣(行政府)の機能が損なわれ、基盤が侵食されつつある基地インフラから作戦を展開している。
トランプによる最大主義的(マキシマリスト)な公の対応を受け、イラン最高国家安全保障評議会は「究極の抑止力」を展開した。現在、ワシントンとテヘランの間の唯一の信頼できる裏ルート(バックチャネル)であるパキスタンのシェバズ・シャリフ首相を通じて、イランのマソウド・ペゼシュキアン大統領は、米国の攻撃が続く場合の公式に構造化された「3段階の戦略的最後通牒」を伝達した。
①現在進行中の核平和交渉からの即時離脱。
②将来的な核条約枠組みの完全な破棄。
③イラン領内における核装置の爆発(核実験の断行)
――これは戦争の兵器としてではなく、主権国家としての能力と、エスカレーション段階における究極の統制権を示す、否定し得ないデモンストレーションとして実行される。
このことは、パキスタンのイシャク・ダール外相から米国のマルコ・ルビオ国務長官へと伝達された。これは単なるレトリックではなく、二者択一の地政学的な衝撃的警告であった。ルビオはその重大性を認識し、ホワイトハウスのエスカレーション姿勢を抑制するために直ちに動いた。

以上が情報の詳細である。私の分析は次の通りだ。

イラン国家安全保障評議会は先週、ケシュム島とバンダル・アッバースへの米軍の攻撃を受けて会合を開いた。評議会はペゼシュキアン大統領に対し、パキスタンのシャリフ首相へメッセージを伝えるよう指示した。ペゼシュキアンのメッセージは単純かつ直接的なものだった。その後、シャリフ首相は外交トップのイシャク・ダール外相に、米国のマルコ・ルビオ国務長官にこのメッセージを届けるよう指示した。ここで強調しておきたいのは、この情報の出所が、ルビオへの警告伝達に至る意思決定プロセスそのものに関与していた人物だということだ。

「もし米国の攻撃が続く場合」という重要なフレーズは、木曜日にルビオに届けられた。イランが本日(月曜日)、イスラエルによるレバノンとパレスチナ人への攻撃が終わるまで、米国とのさらなる会談から離脱すると発表したことに鑑みれば、私はこのインテリジェンス・レポートが極めて信憑性が高いと考えている。

ボールは今、ドナルド・トランプとビビ・ネタニヤフの手にある。もしイスラエルがレバノン、特にベイルートへの爆撃に固執するなら、イランが核不拡散条約(NPT)からの脱退を発表することを覚悟せねばならない。NPTの義務から解放されれば、イランは項目③、すなわち「イラン領内での核装置の爆発」を自由に実行できるようになる。これは、イランへのさらなる攻撃が破滅的な結果をもたらすという、イスラエルと米国に対する警告を意図したデモンストレーションとなる。

ペペと私は、イランがいかにして機能する核兵器を入手したかについての明確な説明も受け取った。この装置(または複数の装置)の製造に関する情報は、この分野で実証された能力を持つ「第三国」から提供された。イランの目的は、パキスタン、中国、ロシアの支援を背景に、イスラエルが将来的にイランへの攻撃を行うリスクを容認できないレベルまで高めることにある。

この情報筋はまた、米国とイスラエルの行動が世界の安全保障および金融構造にもたらす影響について、次のような評価を提示している。

この対立による二次的影響は、世界の戦略的・金融的構造をリアルタイムで再構築しつつある。

①アブラハム合意の崩壊:イスラエルとアラブ諸国の国交正常化を支えていた政治的インフラは、事実上死亡した。パキスタンはこの合意を公然と拒否し、サウジアラビアはすべての裏ルートの議論を凍結した。カタールとオマーンは、米軍が自国内の軍事施設から撤退するための6〜9カ月のタイムラインを積極的に準備している。

②台頭する安全保障枢軸: 米国のバックアップから完全に切り離された、新たな「サウジアラビア・パキスタン・トルコ・エジプト」の安全保障構造が構築されつつある。パキスタンは、ワシントンも北京も真似できないイスラム文化的な親近感を武器に、周辺のプレーヤーから、不可欠な「作戦上の軸」へと自らの地位を引き上げた。

③国際秩序へのシステム的リスク: イランによる核のデモンストレーションは、世界の核不拡散枠組みを粉砕し、アメリカの覇権の限界を示す決定的な「概念実証」を労せずして、北京(中国)に与えることになる。

ドナルド・トランプには、情勢を緩和し破滅を回避するための時間がまだ残されているが、そのためには彼にとって不愉快で困難な決定が必要となる。

第一に、最も重要なこととして、イスラエルへの援助を打ち切り、ネタニヤフにレバノンへの攻撃を終わらせ、ガザからイスラエル軍を撤退させるよう強制することだ。トランプにそれを行う根性があるかどうかは疑わしいが、トランプが真の和平交渉に真剣であるとイラン側を納得させるためには、これほど劇的なステップが必要である。第二に、少なくともイラン産原油に対する制裁を解除し、凍結されたイランの資産を返還すること。第三に、国際法に基づき、イランの領海内にあるホルムズ海峡の一部についてはイランに管轄権があることを受け入れることだ。 トランプがこれらの選択肢を検討する用意があるとは思えず、それは戦闘が再燃する確率が非常に高いことを意味している。もしイスラエルがレバノン、特にベイルートへの攻撃を続けるなら、イランはイスラエル北部にあるイスラエル軍の拠点や人員を攻撃することを極めて明確にしている。先週、和平合意が間近に迫っているという報道で湧いた市場の熱狂は霧散した。今、西側世界は、イランが中国とロシアの確固たるバックアップを受け、自国軍が勝利を収めるまで米国の圧力と脅しに抵抗する覚悟ができているという現実に直面しなければならない。(“Does Iran Have a Nuke? Well Placed Source Says, “Yes””, by Larry C. Johnson, a former CIA officer and intelligence analyst, and former planner and advisor at the US State Department’s Office of Counter Terrorism. SONAR 21, 2 June 2026)

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